【移住・開業】カフェ「チルアウトスタイルコーヒー」のオーナーが感じた、安曇野地域にあるカフェの存在価値
信州ではたらく人へのインタビュー。今回はカフェ「チルアウトスタイルコーヒー」のオーナー赤坂賢さんにお話を伺います。安曇野地域にあるカフェの存在価値とは何かを聞いて来ました。
東京から長野県安曇野(あずみの)市に移住した赤坂賢(あかさか さとし)さんは、安曇野市有明(ありあけ)にあるカフェ『CHILLOUT STYLE COFFEE(チルアウトスタイルコーヒー)』のオーナーです。
東京出身・在住だった赤坂さんにとって、移住前の安曇野は、まったく縁のない土地。しかし、理想のカフェを求めた結果、この地で開業することを決めました。
開業後に分かったことは、東京とは異なる、安曇野という地にあるカフェが、お客さんに与えられる存在価値。開業までの経緯とともに話を伺いました。

アーチ型の屋根が特徴的
『CHILLOUT STYLE COFFEE(チルアウトスタイルコーヒー)』とは?
安曇野市有明にあるコーヒーが自慢のカフェ。安曇野の景色が広がる窓辺に沿った、ブルーの一人掛けソファ席が人気です。体を包み込むような大きなソファに座れば、まるで個室空間のようにくつろげます。


窓からの景色を楽しめる人気のソファ席。
カフェオーナーになりたくて。勉強のためにチェーン店へ
赤坂さんが自分のカフェを開きたいと夢見たのは、小学5年生の頃。親戚の方が働いていた、岩手県にある喫茶店に心を奪われたそう。オーナーが静かにたたずむ喫茶店の、 “大人な” 雰囲気がカッコよく『これをやりたい!』と、『ビビビ!』ときたそう。
夢を持ち続け、カフェを開く勉強をするために、学生の時から東京のカフェチェーン店でアルバイトを始めます。そのまま社員として就職し、コーヒーを入れる技術、経営についての知識を身に付けていきました。

会社員としての12年間は、勉強期間
自分の店を持つことは常に頭にありましたが、脱サラをして動き出すきっかけを、なかなか掴めませんでした。しかしサラリーマン生活が10年になろうかというタイミングで一念発起し、自分のやりたかったお店の実現に向けて動き始めました。
イメージに合う物件探し。安曇野を訪ねる
まず始めたのが物件探し。理想のイメージは “ひとりで、のんびりとした時間を楽しめる大人のカフェ” 。
イメージ通りのカフェを持つためには、家賃の条件を満たすこと、駐車場があること、内装に手を入れられる物件であることなどが欠かせないと考えましたが、東京ではなかなか見つからない日々が続きます。
そんななか “安曇野” という土地をすすめられる機会がありました。

東京出身の赤坂さんにとって、安曇野とは初めて聞く言葉。安曇野が長野県にあることさえも知りませんでした。しかし候補地探しに行き詰まっていたこともあり、東京以外の場所も見てみようと思い、訪ねることにしました。
安曇野を巡っていて感じたのは、のんびりとしていて、落ち着いた雰囲気。
「いいなぁ、と感じました。あちこち安曇野を移動しているうちに、もしかしたらお店をやるには、こういった場所もいいのかな、安曇野でも探してみようかなあ、という思いが出てきました。」(赤坂さん)

カフェで働いて培った経験も、後押しになったとのこと。お客さんが来るかどうかは、天候に大きく左右される、と身をもって感じていたそうです。
「晴れているとお客さんは足を運んでくれます。この地域は降水量が少なく、晴れの日が続きやすいと聞いたことはプラスになりました。お店をやる場所としてはいいのではないか、と思いました。」
“ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ” を実現
安曇野でも、同じく物件探しに苦労したとのことですが、やっと見つけたのが今のカフェとなる物件です。
「大きさが気に入りました。ちょうどいいですよね。小5のときに憧れた、喫茶店とサイズ感が似ていました。」

モルタルの床とカウンター、天井や壁の木の風合い、一枚板のカウンター、照明器具など、ひとつひとつこだわりを積み重ね、時間をかけて、赤坂さんのお店は形になっていきました。
カフェの顔となるブルーの大きな一人掛けソファは、安曇野の景色を楽しみながら、“ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ” の実現の立役者です。

店舗探しを始めてから約2年後、2014年4月20日に「チルアウトスタイルコーヒー」はオープンしました。
「最初は果たしてお客さんに来てもらえるのか不安でした。オープン時、広報もさほど多くはしていなかったので、ひっそりと静かに始まりました。」
後にフリーペーパーや『タウン情報』、『KURA』などに紹介されていくたびに、だんだんと知られていくことになります。お客さんは近郊の安曇野や松本からはもちろん、週末には、名古屋や東京からも訪れるようになりました。今や全国紙にも取り上げられる、安曇野の代表的なカフェのひとつになっています。

地域の店とも連携し、スイーツメニューも提供
カフェの在り方。東京では日常の中に、一方で、安曇野では目的地。
お店を始めて感じたのが、東京にあるカフェと、安曇野地域にあるカフェの立ち位置の違い。
東京に住んでいた頃に感じた、東京のカフェの立ち位置は『日常の中にあり、近くにあるから立ち寄るもので、普段使いにするもの』だったそう。
一方で、安曇野地域にある多くのカフェは、駅や住宅地から遠い場所にあるためか、『日常から離れて、意志を持ってお客さんが向かうカフェが多い』と分析しています。
「今のカフェは駅から距離が遠いので、ありがたいことにお客さんがわざわざ車で来てくれます。お客さんは、“目的地” としてカフェに来てくれているんです。」

チルアウトスタイルコーヒーでは、ソファ席を目当てにしてくれるお客さんが多いとのこと。テーブル席が空いていても『ソファ席に座れないのなら…』と帰ってしまうお客さんもいるそうです。
「それほど特別な場所として、とらえてもらえているんだと嬉しく思います。お店のイメージって本当に大事なんだと実感しています。」

—— 唯一無二の “ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ”は、オーナーが思い描く理想を突き詰めて実現しました。「今後も、お客さんにとっての、お店の満足度を高めたい」と語ります。
個人経営カフェオーナーがつくるカフェのイメージは、「オーナーがやることがすべてであり、責任が伴う」と赤坂さん。理想のカフェがお客さんの “目的地” に選ばれることに、やりがいを感じていました。
取材協力:CHILLOUT STYLE COFFEE https://www.chilloutstylecoffee.com/
関連タグ
松本カフェ
信州ではたらく人へのインタビュー。今回はカフェ「チルアウトスタイルコーヒー」のオーナー赤坂賢さんにお話を伺います。安曇野地域にあるカフェの存在価値とは何かを聞いて来ました。
東京から長野県安曇野(あずみの)市に移住した赤坂賢(あかさか さとし)さんは、安曇野市有明(ありあけ)にあるカフェ『CHILLOUT STYLE COFFEE(チルアウトスタイルコーヒー)』のオーナーです。
東京出身・在住だった赤坂さんにとって、移住前の安曇野は、まったく縁のない土地。しかし、理想のカフェを求めた結果、この地で開業することを決めました。
開業後に分かったことは、東京とは異なる、安曇野という地にあるカフェが、お客さんに与えられる存在価値。開業までの経緯とともに話を伺いました。
アーチ型の屋根が特徴的
『CHILLOUT STYLE COFFEE(チルアウトスタイルコーヒー)』とは?
安曇野市有明にあるコーヒーが自慢のカフェ。安曇野の景色が広がる窓辺に沿った、ブルーの一人掛けソファ席が人気です。体を包み込むような大きなソファに座れば、まるで個室空間のようにくつろげます。
窓からの景色を楽しめる人気のソファ席。
カフェオーナーになりたくて。勉強のためにチェーン店へ
赤坂さんが自分のカフェを開きたいと夢見たのは、小学5年生の頃。親戚の方が働いていた、岩手県にある喫茶店に心を奪われたそう。オーナーが静かにたたずむ喫茶店の、 “大人な” 雰囲気がカッコよく『これをやりたい!』と、『ビビビ!』ときたそう。
夢を持ち続け、カフェを開く勉強をするために、学生の時から東京のカフェチェーン店でアルバイトを始めます。そのまま社員として就職し、コーヒーを入れる技術、経営についての知識を身に付けていきました。
会社員としての12年間は、勉強期間
自分の店を持つことは常に頭にありましたが、脱サラをして動き出すきっかけを、なかなか掴めませんでした。しかしサラリーマン生活が10年になろうかというタイミングで一念発起し、自分のやりたかったお店の実現に向けて動き始めました。
イメージに合う物件探し。安曇野を訪ねる
まず始めたのが物件探し。理想のイメージは “ひとりで、のんびりとした時間を楽しめる大人のカフェ” 。
イメージ通りのカフェを持つためには、家賃の条件を満たすこと、駐車場があること、内装に手を入れられる物件であることなどが欠かせないと考えましたが、東京ではなかなか見つからない日々が続きます。
そんななか “安曇野” という土地をすすめられる機会がありました。
東京出身の赤坂さんにとって、安曇野とは初めて聞く言葉。安曇野が長野県にあることさえも知りませんでした。しかし候補地探しに行き詰まっていたこともあり、東京以外の場所も見てみようと思い、訪ねることにしました。
安曇野を巡っていて感じたのは、のんびりとしていて、落ち着いた雰囲気。
「いいなぁ、と感じました。あちこち安曇野を移動しているうちに、もしかしたらお店をやるには、こういった場所もいいのかな、安曇野でも探してみようかなあ、という思いが出てきました。」(赤坂さん)
カフェで働いて培った経験も、後押しになったとのこと。お客さんが来るかどうかは、天候に大きく左右される、と身をもって感じていたそうです。
「晴れているとお客さんは足を運んでくれます。この地域は降水量が少なく、晴れの日が続きやすいと聞いたことはプラスになりました。お店をやる場所としてはいいのではないか、と思いました。」
“ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ” を実現
安曇野でも、同じく物件探しに苦労したとのことですが、やっと見つけたのが今のカフェとなる物件です。
「大きさが気に入りました。ちょうどいいですよね。小5のときに憧れた、喫茶店とサイズ感が似ていました。」
モルタルの床とカウンター、天井や壁の木の風合い、一枚板のカウンター、照明器具など、ひとつひとつこだわりを積み重ね、時間をかけて、赤坂さんのお店は形になっていきました。
カフェの顔となるブルーの大きな一人掛けソファは、安曇野の景色を楽しみながら、“ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ” の実現の立役者です。
店舗探しを始めてから約2年後、2014年4月20日に「チルアウトスタイルコーヒー」はオープンしました。
「最初は果たしてお客さんに来てもらえるのか不安でした。オープン時、広報もさほど多くはしていなかったので、ひっそりと静かに始まりました。」
後にフリーペーパーや『タウン情報』、『KURA』などに紹介されていくたびに、だんだんと知られていくことになります。お客さんは近郊の安曇野や松本からはもちろん、週末には、名古屋や東京からも訪れるようになりました。今や全国紙にも取り上げられる、安曇野の代表的なカフェのひとつになっています。
地域の店とも連携し、スイーツメニューも提供
カフェの在り方。東京では日常の中に、一方で、安曇野では目的地。
お店を始めて感じたのが、東京にあるカフェと、安曇野地域にあるカフェの立ち位置の違い。
東京に住んでいた頃に感じた、東京のカフェの立ち位置は『日常の中にあり、近くにあるから立ち寄るもので、普段使いにするもの』だったそう。
一方で、安曇野地域にある多くのカフェは、駅や住宅地から遠い場所にあるためか、『日常から離れて、意志を持ってお客さんが向かうカフェが多い』と分析しています。
「今のカフェは駅から距離が遠いので、ありがたいことにお客さんがわざわざ車で来てくれます。お客さんは、“目的地” としてカフェに来てくれているんです。」
チルアウトスタイルコーヒーでは、ソファ席を目当てにしてくれるお客さんが多いとのこと。テーブル席が空いていても『ソファ席に座れないのなら…』と帰ってしまうお客さんもいるそうです。
「それほど特別な場所として、とらえてもらえているんだと嬉しく思います。お店のイメージって本当に大事なんだと実感しています。」
—— 唯一無二の “ひとりで、のんびりとした大人の時間を楽しめるカフェ”は、オーナーが思い描く理想を突き詰めて実現しました。「今後も、お客さんにとっての、お店の満足度を高めたい」と語ります。
個人経営カフェオーナーがつくるカフェのイメージは、「オーナーがやることがすべてであり、責任が伴う」と赤坂さん。理想のカフェがお客さんの “目的地” に選ばれることに、やりがいを感じていました。
取材協力:CHILLOUT STYLE COFFEE https://www.chilloutstylecoffee.com/
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