コロナがあったからよかったこと -地域の学校vol.5-

いま、塩尻で新しい学校をつくろうという動きがあります。
0からつくる、まったく新しい民間の学校です。この学校を、どんな場所にしていくか?
子どもたちのために、どんな授業や、どんな人が必要だろうか?
今まさに、学校のアイデアは広がっている途中です。
本連載では、このミーティングの内容を中心に、学校をめぐる動きをレポートしていきます。

今回は「コロナがあったからよかったこと」です。

コロナがあったからよかったこと -地域の学校vol.5-

今回のゆっこの部屋が実施されたのは、3月30日。新型コロナウイルスの感染拡大が、県内にもじわじわと迫ってきていたころです。

私たちは3月初めごろにミーティングを行い、28日に予定していた苫野一徳さんの講演会について延期を決めました。再度実施する日程はまだ先ですが、延期することでいいこともあります。

一つは、苫野さんの学校「風越学園」が開校し、運営が始まっていることです(2020年4月に開校予定)。このことで、開校した学校の様子を前提に、より具体的な話を聞くことができると考えました。

またもう一つは、講演会までに読破する予定だった苫野さんの残りの著作を読む時間ができることです。ABD形式で行ってきた読書会は、今後もオンラインなど形を変えて実施を目指すことにしました。こうした計画を立てたことで、私たちは残念という気持ちだけでなく、未来を楽しみに待つ気持ちを持つことができました。

講演会の実施と、そのときにパワーアップした自分がいることを楽しみにしながら、ゆっこの部屋はオンラインで継続していくことにしました。そして今回「ゆっこの部屋」は、いつものえんぱーくではなく、Zoomで実施しました。

まだ学校が再開されるかどうか揺れていたこともあり、会が始まる前は、参加者それぞれが住む地域の学校の事情について、情報交換がされていました。

ゆっこさんは今回の新型コロナウイルスへの対応をきっかけに、不登校の考え方も結構変わると思う、と言いました。いま、教育現場は急激な変化を強いられています。これまでずっと変わらなかった学校が、劇的な変化をせざるを得ない状況を、驚きをもってみているといいます。感染症が収束をみせるころ、こ授業だけではなく学校の在り方そのものも、これまでの延長線上にはおけなくなっているかもしれません。

一方で、今回久しぶりに参加したももせさんは、今回の対応を「こんなチャンスはない!」と考えているといいます。今まで、学校のIT活用や授業のオンライン化などは「そうはいってもやれない」と思われることも多いことがらでした。しかし、今は「どうやったらやれるか」という視点で考えられるフェーズに入った、とももせさんは語ります。「新型コロナウイルス収束しようがしまいが、学校教育の在り方は変えていかないといけない」とゆっこさんは付け加えます。「だからこそ何が教育の目的かを明確にしないと進めない」と語り、共通の目的を設定することの重要性を強調しました。

今はそもそも学校にいく理由を考える機会になっている、と山田さんはいいます。後から振り返って、コロナがあったからよかったことを挙げられるようになりたい。そのためには、学校の在り方に対していまできる提案がないだろうか。そこから、一つのアイデアが話し合われました。

コロナがあったからよかったこと -地域の学校vol.5-

いま作ろうとしている学校「キノトリ学園」は、子どもたちが自分であるためのスペースや、場としての役割を重視しています。このため、授業という概念がありません。でも、もしこの機会にキノトリ学園があえて「授業」を発信するなら、どんな内容になるのかを考えてみました。

何よりもまず、子どもたち自身が発信する、という視点が大事だということがわかりました。例えば、子どもたちが、この期間の過ごし方とかをそれぞれ動画にして、15分くらいのコンテンツをたくさんつくって、少しずつ配信する。このアイデアに、お子さんを持つさとみさんは、子どもだけではなく保護者も配信する内容を持っていそう、と加えました。

さとみさん自身、春休みに子どもがやっていることについて、否定から始めるのではなく面白がれるように心がけた、といいます。ゲームであっても、遊びであっても、自分にはできないことを子どもたちは見せてくれるのだそうです。この期間中に自分が思った、子どもに対する変化をまとめて、添える。こうした配信は、他の保護者にとってもこころの励みになるかもしれません。

そして重要なのは、テーマがある宿題ではなく、子どもたちが自分の書きたいことを頼まれもしないのに書くこと、とさとみさんは言います。日常や思ったことを、日記ではなく音声や動画で書け、すぐ他人に共有できるのは、現代のテクノロジーの恩恵によるものです。こうした日常の気づきがシェアできたらいいな、というアイデアは、その場でとても盛り上がりました。

今後もゆっこの部屋はしばらくオンラインで開催していきます。