【活動が続く秘訣】「外国語ガイドボランティア」は楽しむことから始まる
今回取材したのは、松本市内のインバウンドを支えている、発足から27年のボランティア団体「アルプス善意通訳協会:通称ALSA(アルサ) 」です。
松本市内で、多くの外国人観光客を見かけるようになりました。彼らの観光を支えているのが、「松本城」を中心に外国語ガイドサービスをおこなうボランティア団体「アルプス善意通訳協会:通称ALSA(アルサ)」です。2019年現在で、発足から27年となります。
2018年に松本城をガイドした外国人は9442人。最近では、松本市内のお店のメニューや、博物館の展示物の翻訳も手がけます。
松本市内のインバウンドを支えているALSAの理事長である中田さんと、副理事長である藤澤さんにお話をうかがうと「“役に立ちたいから”やっているのではない」とのこと。「楽しむこと」が活動を長年続けられる秘訣となっているようです。

左:理事長の中田さん 右:副理事長の藤澤さん
「ALSA」とは?
アルプス善意通訳協会 ( 通称ALSA(アルサ))。
外国人観光客に外国語(英語を中心にフランス語、スペイン語、中国語など)で松本城を中心にガイドサービスを提供する150人ほどのボランティアグループ。1992年に設立しました。2018年度は長野県による「地域発 元気づくり支援金 県知事賞」「地域発元気づくり大賞」「第6回信州おもてなし大賞」を受賞しています。

松本市から活動功績を認められて、ガイドの待機場が設置された。
ALSAは、長野冬季オリンピックに向けておこなわれた、語学ボランティア養成通訳セミナー受講者の有志で立ちあげました。
中田さん
近隣地域には語学ボランティア団体が無かったので、ガイドを楽しめて、勉強になる機会があってほしいという思いがありました。
ボランティアメンバーの多くは、仕事をリタイアしたり、子育てを終えたりしたひとたち。ボランティア登録後は城について学び、外国語の表現の習得を目指します。語学研修も充実していて、講師はネイティブスピーカー。ベテランメンバーに付いてガイドを見学するなどした後、独り立ちを目指します。

1年毎に会報を作成。メンバー間で、思いや成果などを共有。
観光客に楽しんでもらうことが共通の願い
中田さん
せっかく遠いところから来て頂くのだから、観光客には楽しんでもらいたい。ありがとうと言われると疲れが取れます。
一方的に知識を伝えすぎると嫌がられることもあるので、観光客の興味に合わせて説明をするのが大事とのこと。そんな心のこもったガイドをしていると、再訪してくれる観光客もいます。
藤澤さん
以前にガイドをしたひとに、もう一度と指名されることもあるんですよ。リピートしてもらえると、とっても嬉しいですね。
活躍はガイドだけにはとどまらない。街中の頼れる相談役に。
ガイドだけではなく、松本市が企画するイベントの通訳を依頼されることもあります。依頼は多く、頼りにされているようです。
中田さん
松本市には、ガイドの待機所や、今着ているポロシャツもつくってもらいました。市の職員さんからお褒めの言葉をいただくこともありますよ。
また最近では、松本市内のお店のメニューや案内を、外国語へ翻訳するお手伝いも手がけています。

中町にある「おはきもの矢口本店」の案内文。翻訳で観光のお手伝い。
中田さん
現在は、松本市立博物館の展示物の説明文を翻訳しています。まず日本文をよく咀嚼し、簡潔な英文で外国人にわかりやすい翻訳を心掛けています。お手伝いのひとつひとつが、学びになっているのです。
楽しむ活動が、結果的に役立っている。

Free of charge No tips accepted Smiles OK!
(訳:無料です チップは受け付けていません 笑顔でOK! )
長年の功績から、もはや松本市の外国人観光に欠かせない団体ですが、“役に立ちたいから”活動しているわけではないとのこと。楽しみながらガイドを継続するうち、結果的に役に立つことにつながっているようです。
中田さん
メンバーは“楽しいから”参加しているのです。活動の楽しみは、松本にいながら国際交流ができること、語学力が上達すること、城について学び海外にアピールできることなど、ひとそれぞれです。それが結果的に役に立つことになっていて、嬉しい限りです。
藤澤さん
楽しむ気持ちや、語学や歴史への学習意欲から生まれる活動が、結果的に周囲に喜んでもらえたとき、とてもやりがいを感じられるのです。そうして活動にのめりこんでしまう。
愛されながら続く活動は、個人の楽しみや向上心が地域に貢献していく、やりがいを感じられる場となっているようです。
ボランティアガイドになるには…?
定期募集は1年に1回。2月の説明会後に参加申し込みが始まります。
参加申し込みスケジュール
- 1月上旬:松本市公報、新聞、当ホームページ、新聞、タウン誌等でアナウンス
- 2月中旬:説明会・受け付け開始
- 3月初旬:申込み締切
- 4月1日~:正式会員
ガイド申し込み方法
1.当日申し込み
松本城公園入り口のALSA待機所へ。
(お城のみ 通年 10:00~15:00)(休止期間:年末年始、ゴールデンウィーク、お盆)
2.2週間前までに申し込み
(通年)(休止期間:年末年始、ゴールデンウィーク、お盆)
Webサイトより申し込みができます。
取材協力
関連タグ
仕事
今回取材したのは、松本市内のインバウンドを支えている、発足から27年のボランティア団体「アルプス善意通訳協会:通称ALSA(アルサ) 」です。
松本市内で、多くの外国人観光客を見かけるようになりました。彼らの観光を支えているのが、「松本城」を中心に外国語ガイドサービスをおこなうボランティア団体「アルプス善意通訳協会:通称ALSA(アルサ)」です。2019年現在で、発足から27年となります。
2018年に松本城をガイドした外国人は9442人。最近では、松本市内のお店のメニューや、博物館の展示物の翻訳も手がけます。
松本市内のインバウンドを支えているALSAの理事長である中田さんと、副理事長である藤澤さんにお話をうかがうと「“役に立ちたいから”やっているのではない」とのこと。「楽しむこと」が活動を長年続けられる秘訣となっているようです。
左:理事長の中田さん 右:副理事長の藤澤さん
「ALSA」とは?
アルプス善意通訳協会 ( 通称ALSA(アルサ))。
外国人観光客に外国語(英語を中心にフランス語、スペイン語、中国語など)で松本城を中心にガイドサービスを提供する150人ほどのボランティアグループ。1992年に設立しました。2018年度は長野県による「地域発 元気づくり支援金 県知事賞」「地域発元気づくり大賞」「第6回信州おもてなし大賞」を受賞しています。
松本市から活動功績を認められて、ガイドの待機場が設置された。
ALSAは、長野冬季オリンピックに向けておこなわれた、語学ボランティア養成通訳セミナー受講者の有志で立ちあげました。

近隣地域には語学ボランティア団体が無かったので、ガイドを楽しめて、勉強になる機会があってほしいという思いがありました。
ボランティアメンバーの多くは、仕事をリタイアしたり、子育てを終えたりしたひとたち。ボランティア登録後は城について学び、外国語の表現の習得を目指します。語学研修も充実していて、講師はネイティブスピーカー。ベテランメンバーに付いてガイドを見学するなどした後、独り立ちを目指します。
1年毎に会報を作成。メンバー間で、思いや成果などを共有。
観光客に楽しんでもらうことが共通の願い

せっかく遠いところから来て頂くのだから、観光客には楽しんでもらいたい。ありがとうと言われると疲れが取れます。
一方的に知識を伝えすぎると嫌がられることもあるので、観光客の興味に合わせて説明をするのが大事とのこと。そんな心のこもったガイドをしていると、再訪してくれる観光客もいます。

以前にガイドをしたひとに、もう一度と指名されることもあるんですよ。リピートしてもらえると、とっても嬉しいですね。
活躍はガイドだけにはとどまらない。街中の頼れる相談役に。
ガイドだけではなく、松本市が企画するイベントの通訳を依頼されることもあります。依頼は多く、頼りにされているようです。

松本市には、ガイドの待機所や、今着ているポロシャツもつくってもらいました。市の職員さんからお褒めの言葉をいただくこともありますよ。
また最近では、松本市内のお店のメニューや案内を、外国語へ翻訳するお手伝いも手がけています。
中町にある「おはきもの矢口本店」の案内文。翻訳で観光のお手伝い。

現在は、松本市立博物館の展示物の説明文を翻訳しています。まず日本文をよく咀嚼し、簡潔な英文で外国人にわかりやすい翻訳を心掛けています。お手伝いのひとつひとつが、学びになっているのです。
楽しむ活動が、結果的に役立っている。
Free of charge No tips accepted Smiles OK! (訳:無料です チップは受け付けていません 笑顔でOK! )
長年の功績から、もはや松本市の外国人観光に欠かせない団体ですが、“役に立ちたいから”活動しているわけではないとのこと。楽しみながらガイドを継続するうち、結果的に役に立つことにつながっているようです。

メンバーは“楽しいから”参加しているのです。活動の楽しみは、松本にいながら国際交流ができること、語学力が上達すること、城について学び海外にアピールできることなど、ひとそれぞれです。それが結果的に役に立つことになっていて、嬉しい限りです。

楽しむ気持ちや、語学や歴史への学習意欲から生まれる活動が、結果的に周囲に喜んでもらえたとき、とてもやりがいを感じられるのです。そうして活動にのめりこんでしまう。
愛されながら続く活動は、個人の楽しみや向上心が地域に貢献していく、やりがいを感じられる場となっているようです。
ボランティアガイドになるには…?
定期募集は1年に1回。2月の説明会後に参加申し込みが始まります。
参加申し込みスケジュール
- 1月上旬:松本市公報、新聞、当ホームページ、新聞、タウン誌等でアナウンス
- 2月中旬:説明会・受け付け開始
- 3月初旬:申込み締切
- 4月1日~:正式会員
ガイド申し込み方法
1.当日申し込み
松本城公園入り口のALSA待機所へ。
(お城のみ 通年 10:00~15:00)(休止期間:年末年始、ゴールデンウィーク、お盆)
2.2週間前までに申し込み
(通年)(休止期間:年末年始、ゴールデンウィーク、お盆)
Webサイトより申し込みができます。
取材協力
関連タグ
仕事