たまには歩かずに読む。 Book and Bed 浅草 滞在記

気になるものごとや時季に応じて読みたい本をゆるーく紹介するまつもとひろい読み。今回は特別編としてBook and Bedへの滞在記をお送りします。

たまには歩かずに読む。 Book and Bed 浅草 滞在記

いつもは読む本を抱えて街を歩くけど、たまには本を読むためだけに場所に行ってもいい。

そんな気分の時にうってつけの場所がある。
東京など複数の都市に支店を構える、Book and Bedだ。

東京には近年観光客の増加を受けて、若者向けの安価でおしゃれなホステルがたくさんできている。このホステルも2017年10月にオープンしたばかりで、一泊¥3,800 から宿泊できる安さも魅力だ。

ここは、「泊まれる本屋®」がコンセプトである。たくさんの本棚に囲まれた部屋で、外の切る寒さを逃れてぬくぬくしたあと、お気に入りの本を読みながら寝落ちできるという体験が出来るなんて、本好きでなくても最高の体験に違いない。

エレベーターを上がるといきなりあるのは、秘密クラブのようなカウンターの受付。しかも入口は一見ただのロッカー。

Book and Bed 浅草滞在記

ここを開くと、本棚の間に隠されたベッドのある空間が広がる。

Book and Bed

Book and Bed

目移りしながら数冊の本と雑誌を選び出す。旅先などの非日常の場所では、どこか普段選ばない本を読む傾向があると思う。いつもビジネスに役立つものを選びがちな私も、今回はエッセイ2冊、漫画1冊。そんなにたくさん読めるだろうかと思ったが、意外と進むものだ。大部分は読み終えた。

その中に、吉本ばななの「下北沢について」がある。

Book and Bed

20代のある日、下北沢で、ロックな服装をかっこよく着こなす子連れの夫妻にであう著者。夫婦に不思議と魅力を感じたその時は、将来自分自身がその街に住むなんて想像もしなかった、と著者はいう。その後、実際に下北沢に住んだ暮らしの様子などを、エッセイ形式で綴っている。

本文に、印象的な一節があった。

「選べなかったほうの人生を夢見ることはできない。でも、選べなかった人生が私に微笑みかけてくれるとき、いつでもその人生に恥じないようにあることはできるかもしれない。

ふと、数年前東京に住んでいたころの自分がとなりにいるような気がした。長野県に引っ越さない人生を選んだ方の私だ。彼女は今、勤めていた会社で無事に社員となり、昔は嫌だったヒールも時にはカツカツさせるようになって、独身を謳歌する別の人生を歩んでいる(に違いない)。

久しぶりに会った昔の自分にも、いまこっちはね…と楽しいことを報告できる自分で居たいと思った。

本に触発されて、思わず浅草から下北沢まで足を伸ばしてみた。が、意外にも乗り換え1回であっという間に着いてしまった。長野県にくらべ、東京のなんとせまいことか。
昔イベントに通ったお気に入りの本屋も、少し前に同じ下北沢内で移転。変わらない雰囲気で営業していたし、歩き疲れて入ったカフェにコタツがあったおかげで、足を伸ばして休むこともできた。

Book and Bed

そして、たまたまやっている古本屋を見つけ、さらに本を見つけしてしまう私…

ホテルでもあんなに読んだのにまだ読めるなんて、と思いながらも購入。しかも2冊で400円也。古本恐るべし。

 

今回紹介した本

下北沢について