ビアフェス信州の前におさらい!ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

9月14日(金)から4日間、松本城公園にてビアフェス信州が開催されます!

ビアフェス信州を120%楽しんでいただきたいという願いをこめて、クラフトビールの基礎的な知識をまとめました。

ビアフェス信州の前におさらい!ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

9月14~17日、松本城にクラフトビールが大集結!

山々に囲まれ、清冽な水に恵まれている長野県には、数多くのクラフトビールメーカーがあります。軽井沢町の「よなよなエール」や「コカゲビール」、山ノ内町の「志賀高原ビール」、東御市の「オラホビール」、駒ヶ根市の「南信州ビール」、安曇野市の「穂高ビール」など。そして我らが松本市にも、2016年3月に委託醸造での販売がはじまり、2018年7月から自社工場で仕込んだビールの販売がはじまった「松本ブルワリー」があります。
みなさん、もちろんご存じですよね?

ビアフェス信州の前におさらい! ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

今年の7月から本格的に稼働しはじめた、松本ブルワリーの醸造所。特注の最新設備が揃い、仕込みからボトリングまでが行われています。

松本ブルワリーは、2014年9月に松本城公園で初開催された「ビアフェス信州 クラフトビールフェスティバルin松本」をきっかけに誕生しました。このイベントは日本地ビール協会との共催で行われるクラフトビールの祭典で、ビアフェス信州では県内のブルワリーだけでなく国内外のブルワリーのビールも楽しむことができます。会場から国宝の松本城や北アルプスの山並を眺められるというロケーションの良さもあいまって、初回は16,000人、第2回は20,000人と、開催を重ねるごとに盛り上がっていきました。そんななか「松本産のビールを造ろう」というムードが高まり、ビアフェス信州実行委員会の有志で松本ブルワリーを立ち上げたということです。

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2014年に開催された、ビアフェス信州の出店ブースの様子。

さてこのビアフェス信州ですが、2017年は諸事情により開催中止となってしまいました。しかし復活を願うファンの声と関係者の尽力により、2018年はみごとに復活! 9月14日(金)~9月17日(月)の4日間にわたって、松本城公園にて開催されることが決定しています。楽しみですね!

今回は、このビアフェス信州を120%楽しんでいただきたいという願いをこめて、クラフトビールの基礎的な知識をまとめました。教えていただいたのは、松本ブルワリーの醸造家、勝山拓海さんです。

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松本ブルワリーのビールの味を守っている、若きブルワー勝山拓海さん。ビールの味をストライクゾーンに決めるべく、日々、試行錯誤を繰り返しているそうです。

そもそも「クラフトビール」「エールビール」ってなに?

巷で「クラフトビール」と呼ばれているのは、1960年代にアメリカ西海岸から始まった「ヨーロッパの伝統的なスタイル」に基づいて造られたビールのこと。アメリカのブルワーズ・アソシエーションに定められている定義に則り、「小規模な醸造所が造るビール」と説明されることも多いのですが、とくに国内では規模の大小での分類はされてはおらず、明確な定義は存在しないというのが実情なのだそう。大手メーカーがクラフトビール事業に参入してきていることもあり、定義づけをするのはますます難しいかもしれません。ということで、ここではブルワーがこだわって作っているビール全般を「クラフトビール」と呼ぶことにします!(ちょっと乱暴?)

ビールは、ドイツ発祥の「ラガー」、イギリス発祥の「エール」、そしてベルギー発祥の「ランビック」の3種類に分類されます。これらは下面発酵(ラガー)、上面発酵(エール)、自然発酵(ランビック)という酵母の違いで分けられていて、発酵の方法も味わいも異なります。世界のビール市場で圧倒的なシェアを誇るのは、ラガービールのピルスナー。そして、昨今「クラフトビール」として誕生しているビールの多くが、イギリス発祥のエールビールです。

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松本ブルワリーが取り扱うビールはすべて「エール」。これは「松本ブルワリー・ペールエール」というブランドの顔ともいえる商品。ペールエールは、エールの中では淡色なのが特徴ですが、それでもラガーのピルスナーに比べたら濃い色合いをしています。

おもなビールの原材料は4つ

基本的に「ビール」と呼ばれるものは、「水」「モルト(麦芽)」「ホップ」「イースト」の4つの原材料から造られています。松本ブルワリーでは、水はもちろん、北アルプスの雪解け水を由来とする中軟水の湧水を使用。モルトは良質なものを厳選して仕入れ、いくつかをブレンドすることで微妙な味の違いを出しているそうです。ホップについては、基本的にはペレット状のものを仕入れていますが、乗鞍高原で生産した生ホップを作ったビール造りにも着手しているとのこと。冷涼な気候と豊かな土壌に恵まれた松本だからこそできる試みですね。

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乗鞍岳から松本市の市街地のほうへ流れる梓川。この中軟水の水を仕込み水として使用することで、雑味がなく、モルトやホップの味わいを最大限に引き出すビールに仕上がります。

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松本ブルワリーで使われているモルト。ベースとなるモルトのほか、より香ばしい風味を付けるために焙煎したカラメルモルトやブラックモルト、発芽していない大麦を焙燥したローステッドバーレイなどがあります。

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松本ブルワリーの直営店「タップルーム本町店」にディスプレイされている、乗鞍高原で栽培されたホップ。50年ほど前は、松本近辺でもホップが盛んに栽培されていたそうです。

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ペレット状になったホップ。モルトと同様、風味の異なるいくつかの種類を組み合わせることでビールの個性を作っています。

ビールの味を左右するこだわり

原材料をどう選びどう組み合わせるのかもビールの味を決める大きな要因のひとつなのですが、ビールを製造する過程でのひと手間も、味の違いを大きく左右するそうです。ビール造りの工程を、以下のイラストをもとに簡単にご説明しましょう。

ビアフェス信州の前におさらい! ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

松本ブルワリーの醸造所の壁には、このようにポップなイラストでビールの造り方が紹介されていました。

【ビールの造り方】

1. 粉砕したモルトとお湯で粥を作り、モルトを糖化させる

2. ろ過して取り出した麦汁にホップを加えて煮沸

3. かき混ぜて、一気に冷却する

4. イーストを加えて3~4日発酵させる

5. 2~3週間熟成させて、完成!

たとえば2のホップを麦汁に加えるタイミングを早くすればより苦みを出すことができ、遅くすればホップそのものがもつ香りをより引き出すことができます。「長く煮だすと苦くなる」という原理はお茶を淹れるときと同じ、ということを勝山さんが教えてくれました。そう考えると、わかりやすいですね。

ここで挙げたひと手間は、ビール造りの全工程におけるほんの一部。さまざまな具合を見極めて最高の一杯を生み出すのが、ブルワーの腕の見せ所なのです。 

ビアフェス信州の前におさらい! ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

ブルワー勝山さんがアメリカで見つけてきたという、ホップの風味を表したグラフ。横軸にはさまざまな種類のホップが並んでいて、縦軸の上半分は各ホップの香りの度合いが、下半分は苦みの度合いがグラフ化されています。

松本ブルワリー最新ラインナップ紹介

ビールの基礎的な知識を学んだところで、松本ブルワリーで取り扱われているビールを改めて紹介しましょう。

ビアフェス信州の前におさらい! ブルワーに聞く、エールビールの基礎知識

左から「セッションIPA」「オーサムペールエール」「松本ブルワリー・ペールエール」「トラディッショナルビター」。直営のタップルーム中町店やタップルーム本町店で購入することができます。

1. セッションIPA
IPA(インディアン・ペールエール)は、ホップを大量に使ったジューシー感が特徴的なエールビールで、それをより飲みやすくしたのがこちら。最近、販売されたばかりの新作です。
(アルコール度数:5%)

2. オーサムペールエール
数種類のアメリカンホップを使用して造られたエールビール。アロマと苦みがしっかりと感じられるので、楽しい気分をより盛り上げたいときにはぜひこのビールをどうぞ。
(アルコール度数:5%)

3. 松本ブルワリー・ペールエール
アメリカンペールエールらしい、ホップの華やかさが際立ったエールビール。喉越しもすっきりとしてバランスのとれた、飲みやすい一杯。お土産に選ぶならこれがベスト!?
(アルコール度数:5%)。

4. トラディッショナルビター
モルトをたっぷり使用している褐色のエールビールで、華やかさとコクを兼ね備えています。時間が経っても味がへたらないのが特徴。パイントで時間をかけて飲み干しましょう。(アルコール度数:4%)。

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1本あたりの容量は330mlで、直営店で購入可能なオリジナルのUSパイントグラス(460ml)にちょうど入ります。

ビアフェス信州へ行こう!

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さて、本題に戻りますが、60種類以上の個性豊かなクラフトビールが松本城公園に集結するイベント「ビアフェス信州」が、もうすぐやってきます! 9月14日(金)から4日間、松本城公園にて信州のフードフェア2018と同時開催される予定です。入場料は無料で、どのクラフトビールも1杯550円で楽しめるとのこと。オリジナルグラスとクラフトビール5杯分が付いて3,000円というお得なチケットもあり、ウェブでさらにお得な前売りチケット(2,700円)を購入することも可能です。

家族や友人を誘って、ビールの楽しさを再発見しに出かけましょう!

イベント情報

【イベント名】 第4回 ビアフェス信州
クラフトビールフェスティバルin松本
(同時開催:信州のフードフェア2018)
【開催場所】 松本城公園
【入場料】 無料
【開催日時】 2018年9月14日(金)11:00~18:00
2018年9月15日(土)11:00~18:00
2018年9月16日(日)11:00~18:00
2018年9月17日(月)11:00~17:00
【主催】 ビアフェス信州実行委員会
(共催:日本地ビール協会、
後援:長野県・信濃毎日新聞・株式会社長野銀行)
【アクセス】 JR篠ノ井線「松本駅」下車 徒歩約15分
松本周遊バス「タウンスニーカー」北コース
「松本駅お城口」発⇒「松本城・市役所前」下車すぐ(乗車時間約10分)
【サイト情報】 Webサイト
【問い合わせ】 ビアフェス信州実行委員会事務局
Tel.0263-38-0069(オールドロック内 担当:浅川)