「美味しいお米」とは何だろう

美味しいお米とはなんだろう。はたして「金賞」や「特A」を受賞したお米が一番なのだろうか。長野県で農業を営むHondaさんの、お米についてのコラムです。

「美味しいお米」とは何だろう

「これは古米だ!」
 昨冬、志賀高原へ泊りがけでスキーに行った時のこと。夕食のご飯を一口噛んだ瞬間、私はそれが古米であることを確信しました。私は自ら「古米ハンター」を名乗るほど、新米と古米の嗅ぎ分けを得意としております。古米には、新米にはない香り(良い匂いではない)と、噛んだらボロッと崩れる食感があるのです。そして、旨味や甘味は新米と比べたら極めて少ない。正直なところ、美味しゅうございません。

 しかし、ご飯に自己主張がない分、おかずが進みます。肉や魚の味を邪魔せずに、引き立ててくれています。男性としては小食の部類に入る私が、おかずをたっぷり、ご飯も普通盛りで2膳食べてしまいました(ここ数年、普通盛りでご飯をおかわりした記憶がない…)。

 この出来事から、私は1つの示唆を受け取りました。「不味い米というのも一興だな」と。実は、私は普段食べているコシヒカリに食傷していました。コシヒカリは粘りが強く、甘味が濃いのが特徴ですが、年を取ってきたせいか、私にはそれがしつこく感じるのです。おかずなしで食べられる程に味が濃いので、おかずがあまり進みません。粘りと甘味のせいで、カレーやチャーハンにも今一つ合いません。もっとさっぱりとした米が食べたいと思っていました。

 しかしながら、(公財)米穀安定供給確保支援機構の統計によると、2017年度に全国で作付けされた(田んぼに植え付けられた)うるち米の内、実に35%超がコシヒカリだそうです【図1】。しかも、コシヒカリに続く上位9品種全てにコシヒカリの血が入っています【一例として図2】。
  
【図1】

美味しいお米とは

参考:米ネット


【図2】 

美味しいお米とは
 

 

コシヒカリとその子孫達が日本の食卓を席巻している理由としては、やはり、第一に「味が良い、美味しい」ということが挙げられるでしょう。コシヒカリに食傷した私でも、栽培技術の高い生産者が育てたものを口にすれば、「この味と食感には飽きたけれども、美味しいなあ!」と感じます。
 また、生産面いうと、コシヒカリは南北に長い日本列島の多様な気候への適応力が高い、という利点がある様です。ちなみに、かつてはコシヒカリに匹敵する人気を誇ったササニシキは、1993年の冷害(日本中にタイ米が出回った、あの頃…)で壊滅状態となり、2017年度の品種別作付ランキングでは20位にも入っていません。冷害に対する脆弱性と栽培の難しさで今や絶滅危惧種となっていますが、私はコシヒカリよりもササニシキの方が好きです。食感がさらっと爽やかで美味しいのですよ、ササニシキは。

美味しいお米とは

しかし、やはり、個人的には「米が美味しい≒おかずが進まない」という問題が頭から離れません。魚も肉も野菜もご飯と一緒に味わいてえだよ。
世の中には「米・食味鑑定士協会」と「日本穀物検定協会」という協会があり、それぞれで毎年、米の食味(しょくみ)を分析し、「金賞」や「特A」などと表彰をしていますが、私は前者が開く「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」に観客として参加したことがあります。
コンクールでは、生産者が出品した米の食味をまずは機械で分析し、そこで「食味が良い」として選抜されたものを、次の「官能審査」で審査員が実食し、賞を決めていました。私も金賞候補として挙がっている米を食べ比べました。確か、品種は殆どがコシヒカリで、ひとめぼれが若干混じっていましたが、どれも味の濃かったことを覚えています。その中でも特別に美味しいと感じたものは、やはり金賞に選ばれました。

ただ、米単体の味を評価して表彰しているという点が気にかかります。普段、私たちが食事をとる際に、「米だ!米しか食わんぞ!米が旨いなら、漬物も梅干しも生姜焼きも味噌汁も治部煮も白身魚のテリーヌもいらぬ!」と意地を張る(?)様なことは1年に1度もないでしょう。何か米以外の食べ物や調味料も米と一緒に食べる筈です。
だから、金賞や特Aとして表彰された米は、食卓に上がった際にも果たして金賞・特Aとなるのか?アジの塩焼きを引き立ててくれるのか?「アジの塩焼き米」として秀逸なのだろうか?といった疑問が湧いて来る訳です。そして、現在の私の答えは、「うーん、古米の方が秀でている気がするぜ」となり、表題の通り、美味しいお米とは何だろう、と新たな疑問が浮かんでしまいます。

美味しいお米とは


 とはいえ、近頃は、前述の米・食味鑑定士協会が「すし米コンテスト・国際大会」を開催し、寿司に合う米を競わせたり(受賞作はコシヒカリ一族が大部分を占めてはいますが…)、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が「華麗舞」という、カレーに合う米を開発したりと、他の食べ物と合う米を求める動きも出てきていますので、期待しております。

美味しいお米とは

最後に:長野県で美味しいお米が購入できる場所

最後に、長野県で美味しいお米が購入できる場所をご紹介してこの記事を終えたいと思います。

自然健康食品の店 わかば

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無農薬無化学肥料のあきたこまちがとても美味しかったです。量り売りしてくれます。長野県で買った米で、特に美味しいと思ったのはここだけです。大町産の有機野菜や大豆、その他加工品も売っています。