信州の「スキマ」を「スキ」で埋め尽くせ!Webメディア「skima信州」とは。編集長の信州さーもんさんインタビュー
2018年3月にオープンした、長野県の魅力を発信するローカルwebメディア「Skima信州」
『信州のスキマを好きで埋める』をコンセプトに掲げるSkima信州について、編集長の信州さーもんさんにインタビューしてきました。
こんにちは、賀川です。
春、ですね。

先日松本市のアルプス公園まで家族でお花見に行ってたのですが、桜が見事でしたね〜。だんだんポカポカと暖かくなってきて、どこかに出かけたくなる季節。
さてさてどこに行こうかな〜?とWebでいろいろ探してみるも、出てくるのは松本城、中町通り、あがたの森、松本市美術館などなど、どうしても定番のスポットが紹介されています。
もちろんとても、とーっても素晴らしいところなのですが、たまにはいつもの場所とはちょっと違う、みんなが知らないような素敵なスポットに行きたいな、と思うこともしばしば。さてどうやって調べようかなと思っていたところ、こちらのサイトに出会いました。
そのサイトが、Skima(スキマ)信州です。
Skima信州とは
Skima信州とは。
『Skima信州』では、観光サイトでは取り上げられないようなニッチな話題にスポットを当て、好きの視点からご紹介いたします。
行きたいところをネット調べてみても、結局は同じところばかり取り上げられる観光サイト。そんな観光サイトの「隙間」を「好き」で埋め尽くそう!と言うコンセプトを持っているこちらのサイト。(そうか、「隙間」と「好き」でSkima信州か!!)
サイトは「エリア(北信・南信など)」や「カテゴリ(温泉・絶景スポット)」から記事を探すことができる設計になっています。
3月にオープンしたばかりだというのに、たくさんの記事がアップされていて、非常に本気度が感じられます。
例えば「温泉」で検索すると現時点で9記事もアップされています。
温泉好きとしてはたまらない記事が満載。
また、『地名の謎シリーズ』という連載もあり、タイトルから非常に興味をそそられます。
(確かに長野って「信州」「信濃」などたくさんの呼び方があるのは何故なのか。)
内容もボリューム満点。読んでいるだけでちょっとした旅行気分を味わえる記事。すごい。
と、いうわけで、気になる内容てんこ盛りのSkima信州。今回はこちらのメディアの実態に迫るべく、編集長の信州さーもんさんにインタビューしてきました。

プロフィール:
信州さーもん
兵庫県出身長野県在住の20代。 地方国立大学文学部、出版社勤務を経て2016年にフリーランスとして独立。
御朱印と社寺紹介サイト「ごしゅメモ」と個人ブログ「鮭メモ」、長野県のローカルwebマガジン「Skima信州」を運営。
長野県内観光サイトの企画・執筆や地域イベントの運営などに携わる。
「地元を旅する」をキャッチフレーズに、長野県内の女子旅プランを提案しています。
好きなこと:社寺めぐり、桜めぐり、山奥でぼーっとすること、週末旅。
それではインタビュースタート!
Skima信州が大事にしている「スキマワード」とは
ーー Skima信州のオープンおめでとうございます。
信州さーもん(以下 信):ありがとうございます!
ーー オープンしてもう1ヶ月くらいですか?
信:そうですね。2018年の3月1日オープンなので、1ヶ月半くらいですね。記事数は現在36記事くらい上がってますね。
ーー サイトのコンセプトから聞いていきたいのですが。
信:はい。
ーー サイトには「信州のスキマを好きで埋めるローカルwebマガジン」とありますが、こちらがサイトコンセプトですか?
信:そうですね、コンセプトはこちらですね。
ーー 「スキマ」というのは具体的に言うと...。有名な場所では無いところ、という意味ですか?例えば松本市だったら「松本城」以外の場所とか?
信:そうですね、場所でいうとそういう感じなんですけど。
長野県に限らず観光サイトというと、大きいところから紹介しますよね。有名なところ、人気なところ、定番なところ。
やっぱり人がすでに集まっているところを紹介するサイトが多いと思うんですけど、私はあんまり人がいるところが好きではないので(笑)。
ーー 人混みが苦手?
自分が好んで行くところというと、あまり人がいないところ。でもそういうところでも良いところはたくさんあるし、例えば松本城と一言で言っても、観光して「あぁ楽しかったな」で終わる記事というよりは、掘り下げ方や視点を変えることで全然違った見方もできると思うんですよね。
ーー なるほど。
信:私はよく「スキマワード」って呼んでるんですけど、スキマワードとは「視点を変えたものの見方」とか「人にあまり知られていないスポットやキーワードや分野」ということですね。
こういったところが好きな人たちが、好きなものを熱量持って語っていけば、信州のスキマワードが増えていくのではないかなと。
そういうスキマワードを増やしていくことによって、全体的に信州の魅力がより見えてくるのではないのかなと考えました。
ーー スキマワードってめちゃめちゃ面白い言葉ですね。
信:このサイトの「ミッション」はスキマワードを増やしていくことだと考えています。
キャッチコピーはそもそも必要か?
信:よく考えているのは、「信州といえば〇〇」のようなキャッチコピーは必要なのかなって。
ーー と言いますと?
信:以前某自治体で会議に参加したことがあるんですよ。この地区をPRしたいということで、アドバイザーとして参加したんですけど。
ーー と言いますと?
信:「自然の里」とか「水がおいしい里」など色々考えていたんですけど、そもそもそキャッチフレーズに意味があるのか?
「信州といえば自然」とか、「信州といえば山」とか。でもそう言い切ってしまうと、そうじゃないよな、と思っている人としてはつまらないというか、批判が来てしまうこともある。
ーー 確かに。ただそういう風に「信州といえば〇〇」と言ってしまった方が分かりやすいってこともありますしね。
そうなってしまうのも仕方ないような。
信:ただそういうワードにとらわれてしまうとそこしか紹介できないし、そんなの知っているよっていう人も出てくるし、全然そうじゃない、っていう人も出てくるだろうし。デメリットしかないと思うんですよね。
ーー 確かに観光記事ってそんなのが多いですよね。松本だったら松本城行って中町行って縄手行って・・・みたいな記事ばかりになってしまう。
信:なので、信州といえば「こうだ!」、と定義するよりは、「ここもあるよ、あそこも素晴らしいよ」と増やしていくイメージですね。
そういったスキマワードをどんどん貯めていければいいかなと思っています。
ーー それは目線を広げていくっていうことなんですかね?
信:うーん、視野を広げるっていうよりは、もう少しミクロな視点で見て、その視点で見たものを積み上げていくイメージですね。そのことによって、全体的に広がっていけるんじゃないかと思っています。
間口は広く、様々なきっかけで信州を知ってほしい
ーー そうなると読者の対象は信州上級者ということになるんですかね?
信:いや、そうは思っていなくて。記事によって全然読者層も変わってくると思っています。登山記事も書いているし温泉記事も書いているし。
県外の人でも温泉が好きな人には読んでもらって、あぁ信州にはこんな温泉があるんだ、とか長野に来たいなと思ってもらえるような記事にしたくて。
もちろん信州が好きな人には読んでほしいですけど、信州全く知らないけど温泉は超好き!という人にも見てもらいたいですし。
先日私が書いた記事に、名探偵コナンの舞台で見た、川中島合戦の史跡をめぐるスキマ旅。というのがあるんですけど。
(↓こちらです。)
信:この記事は、コナン好きな人にも見てもらいたいし、歴史好きな人にも見てもらいたいし、もちろん長野が好きな人にも見ていただきたいっていうことで、間口は広く取っています。
なので信州上級者だけではなく、それぞれの興味のあるものをきっかけに、信州に触れられるような記事にしたいと思っています。
キーワードとしては、「信州エリア × 〇〇」という風には心がけています。信州エリアには興味ないけど、別のキーワードから入ってきてくれるような。
(余談ですが、コナンでは長野県警がよく出てきてめちゃめちゃ優秀に描かれています...!!!)
Skima信州 制作のきっかけについて
ーー そもそもの話なのですが、このサイトを作ろうと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。
信:もともと私はごしゅメモ(※1) というサイトを運営しているのですが、そちらのサイトをやっていた時に、観光記事も書きたいなという思いがありました。
ただ、書こうと思っている観光記事は、ごしゅメモのコンセプトには合わないなと思い、どうしようかな、別のサイトを立ち上げた方がいいのかな、といろいろ考えていました。
そんな中、遠山郷に行った際に信州に関して知識があり熱い思いを持っている方々に出会い、いろいろと話す機会がありまして。
その方々は「やりたい」、「書きたい」という強い思いはあるんですけど、メディアを作るとか記事を書く技術がほとんどない状況でした。
それならば私がメディアを作るので、そこに書いたら良いのではないか、という風な話になり、Skima信州を立ち上げることにしました。
※1 ごしゅメモ:「ごしゅメモ」は、神社仏閣・御朱印紹介サイト。
ーー なるほど。そうだったんですね。
信:そうなんです。私は信州全体に詳しいわけではないし、神社仏閣等の自分の興味のある特定の分野については書けるけど、温泉とか全く詳しくないので。
ーー その方々に書いてもらった方が良いという風になったんですね。
信:そうですね。また、「私の知らない信州をみんなに教えて欲しいです!」、ということをtwitter等SNSに書いたらたくさんの方が集まってくれたので。こうなったら、やろう!と思い作りました。
ーー それはすごい。今の時代ならではの仲間の集め方ですね。ちなみにやろうと思ってから実際にオープンするまでは長い道のりだったと思いますが...
信:やろうと思ってからオープンするまで1ヶ月くらいですね。
ーー 1ヶ月!?めっちゃ早いですね!
信:Skima信州の元々のコンセプトについては以前からずっと考えていましたし、twitterではそんなこと呟いているので、メンバーにもその思いは共有できていました。
そうなるとあとは記事を書くだけという状況ですので、書きまくるだけですね。笑
ーー それにしてもとんでもないスピード感ですね。やろうと思っても実際に行動に移すまで腰が重くなってしまうものだとも思うのですが。
信:やると決めたらサクサクやっちゃいます(笑)
信州さーもんさんについて
ーー 信州さーもんさんの活動についても少し伺いたいのですが。
信:はい。
ーー まずは先ほど話に上がった「ごしゅメモ」についてなのですが。
信:はいはい、ごしゅメモ。神社仏閣・御朱印サイトですね。
ーー もともと御朱印集めが趣味で、ブログを作ったという流れですか?
信:そうですね。そもそもお寺や仏教とかが元々好きで、神社仏閣への参拝はしていました。今でも神社に行って1時間くらいぼーっとしているのが好きです。
そして2016年の夏くらいですかね、戸隠神社で御朱印の存在を知ってそこから御朱印集めを始めました。
それでかなり数が集まってきたので、整理をするためにブログを始めました。それが「ごしゅメモ」ですね。
■ごしゅメモ:一度は訪れたくなる信州の御朱印・観光紹介サイト
(現在250記事ほどこちらのサイトには上がっています。)
ーー あとはnoteでラジオもやられていますし。
信:そうですね、noteでラジオもやってます。ただ喋っているだけという感じですが(笑)旅ブロガーの朝式部さんと一緒にゆるゆると喋っております。
ーー そういえばSkima信州でもラジオ始まってますしね。
信:ラジオ企画も始まりました。ただこちらは私の企画ではなく、メンバーのひとりがラジオやりたいということで、それならばと始めることになりました。
ーー そして、他のメディアでもライター業をやっていると。
わたしの書いた記事が公開になりました!
遠山郷ってどこ?どんなスポットがあるの?地元民がオススメする楽しみ方をご紹介????
ぜひご覧ください!
天空の里「下栗」の絶景とディープな文化を体感しに信州・遠山郷へ!地元民がオススメするガチ秘境の楽しみ方をご紹介 https://t.co/gUyMDLYXMd
— 信州さーもん@Skima信州&ごしゅメモ (@goshumemo) 2018年4月5日
信:はい、他のメディアでもライターとして寄稿しています。結構自分の好きなことや得意なことを自由に書かせてくれるので、楽しく続けられています。
ーー と、このように様々な活動されてますけど、今後やりたいことはありますか?
信:そうですね...私は元々イベントや企画運営をしていたので、イベントやりたいですね。Skima信州で団体を作って、団体が主催するローカル・地元の情報発信をテーマ、キーワードにしたイベントをやりたいですね。
ーー それはツアーとかですか?
信:ツアー...そうですね、ツアーでいうと、他とは一味違った観光ツアーをメンバー内で企画・実行したいです。
県内でもあまり知られていない地域を案内できるようなツアー企画をやりたいね、という話はメンバー内で出ています。
あとは研修合宿やりたいですね。
ーー 研修合宿?
信:スキマメンバー内でいろいろな場所で合宿をやりたいです。
人里離れた場所で、お互いの好きな分野についてプレゼンをし合ったり、徹底的に記事を書きまくったりするような、そんな研修をしたいと思っています。
ーー それは面白そう!場所も人里離れた場所ってのがいいですね笑
信:私は人があまりいないところが好きなので笑。
まだ具体的には決まってないですけど、やりたいことはいくつかあります。
Skima信州 今後のことについて
ーー Skima信州の今後の展望みたいなのはありますか?
信:最終的にはみんなが、信州が好きな人が情報発信ができる場になればよいなと思っています。
さらにそこから、ただWebで発信してくだけではなく、実際にみんなを連れて行きたい。ここは本当に良くておすすめの場所だからみんなを連れて行きたいよね、と言ったリアルな行動に移せる場にしたいです。そして実際に行って体験したことをWebに書いてもらえばいいなと。
ーー それはとても楽しそうですね!
信:また、信州の観光本を作りたいというのは常々思っています。
ただの観光スポット紹介ではなくて、このスポットはこういう回り方もあるんだよ、こういう視点で見ると面白いよと行ったような本ですね。
王道の観光本というよりは、そっちをメインにした本が作れれば良いなと思っています。
ーー それはまさにSkima信州本と言った感じですね。
信:なので今は本のページを作っていくようなイメージで、1記事1記事丁寧に書いていきたいなと思っています。
10年後に変わってそうなものは極力入れないで、長年生きるような記事を書いていきたい。そこが他のローカルメディアとはちょっと違うことかなと思っています。
ーー 具体的に今動いている企画ってあるのでしょうか?
信:現在行っている企画として、Skima信州では「全市町村の観光プランを考える」を目標に、取材ツアーを行うことにしました。
しかも、長野県には現在77の市町村が存在するのですが、せっかくなので平成の大合併前の区分の120市町村の観光記事掲載を目指しています!
ーー なぜ合併前の区分で取材しようと思ったのですか?
信:例えば松本市でもだいぶ合併していて(※2)、松本市でプランを作ったとしても、松本市街地と四賀や梓川・波田では観光プランがだいぶ変わってくると思っています。
そうなると、紹介したくてもできなくなってしまう。合併してしまった場所も、しっかりメインで紹介する記事を書いていきたいなと思い、このような企画にしました。
もちろんちゃんと現地に行って取材するようにしています。
※2:平成17年4月1日、松本市は四賀村・安曇村・奈川村・梓川村と合併しました。
また、平成22年3月31日、松本市は波田町と合併しました。
(参照:合併のあゆみ)
ーー すごい!120記事取材するのは相当なボリュームで大変だと思いますが、とても楽しみにしています!
信:ありがとうございます。最後まで続けられるよう頑張ります!
ーー それでは以上でインタビューを終了します。信州さーもんさん、ありがとうございました!
信:ありがとうございました!
最後に
Skima信州、オープンしたばかりなのに多くの記事数で圧倒されます。
個人的に好きな記事は、先ほどのコナンの記事と、下記の妄想村デートデートの記事ですね。
"地図にはないけれど、水がきれいでオススメの場所を案内したい"
もしも宮田村出身の彼に「僕の地元を案内するよ」と言われたら|長野県宮田村 - Skima信州 https://t.co/Ebi6pbzfcY
— Koushi Kagawa@松本市 (@koushikagawa) 2018年4月11日
これからも信州の隙間を好きで埋めるSkima信州を応援しています!皆さんもぜひ観光のお供にSkima信州を見てみてください。
インフォメーション
【サイト名】
Skima信州
【URL】
https://skima-shinshu.com/
【コンセプト】
信州のスキマを好きで埋めるローカルWebマガジン
【お問合せ】
こちらのフォームよりお問合せください。
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インタビュー
2018年3月にオープンした、長野県の魅力を発信するローカルwebメディア「Skima信州」
『信州のスキマを好きで埋める』をコンセプトに掲げるSkima信州について、編集長の信州さーもんさんにインタビューしてきました。
こんにちは、賀川です。
春、ですね。
先日松本市のアルプス公園まで家族でお花見に行ってたのですが、桜が見事でしたね〜。だんだんポカポカと暖かくなってきて、どこかに出かけたくなる季節。
さてさてどこに行こうかな〜?とWebでいろいろ探してみるも、出てくるのは松本城、中町通り、あがたの森、松本市美術館などなど、どうしても定番のスポットが紹介されています。
もちろんとても、とーっても素晴らしいところなのですが、たまにはいつもの場所とはちょっと違う、みんなが知らないような素敵なスポットに行きたいな、と思うこともしばしば。さてどうやって調べようかなと思っていたところ、こちらのサイトに出会いました。
そのサイトが、Skima(スキマ)信州です。
Skima信州とは
Skima信州とは。
『Skima信州』では、観光サイトでは取り上げられないようなニッチな話題にスポットを当て、好きの視点からご紹介いたします。
行きたいところをネット調べてみても、結局は同じところばかり取り上げられる観光サイト。そんな観光サイトの「隙間」を「好き」で埋め尽くそう!と言うコンセプトを持っているこちらのサイト。(そうか、「隙間」と「好き」でSkima信州か!!)
サイトは「エリア(北信・南信など)」や「カテゴリ(温泉・絶景スポット)」から記事を探すことができる設計になっています。
3月にオープンしたばかりだというのに、たくさんの記事がアップされていて、非常に本気度が感じられます。
例えば「温泉」で検索すると現時点で9記事もアップされています。
温泉好きとしてはたまらない記事が満載。
また、『地名の謎シリーズ』という連載もあり、タイトルから非常に興味をそそられます。
(確かに長野って「信州」「信濃」などたくさんの呼び方があるのは何故なのか。)
内容もボリューム満点。読んでいるだけでちょっとした旅行気分を味わえる記事。すごい。
と、いうわけで、気になる内容てんこ盛りのSkima信州。今回はこちらのメディアの実態に迫るべく、編集長の信州さーもんさんにインタビューしてきました。
プロフィール:
信州さーもん
兵庫県出身長野県在住の20代。 地方国立大学文学部、出版社勤務を経て2016年にフリーランスとして独立。
御朱印と社寺紹介サイト「ごしゅメモ」と個人ブログ「鮭メモ」、長野県のローカルwebマガジン「Skima信州」を運営。
長野県内観光サイトの企画・執筆や地域イベントの運営などに携わる。
「地元を旅する」をキャッチフレーズに、長野県内の女子旅プランを提案しています。
好きなこと:社寺めぐり、桜めぐり、山奥でぼーっとすること、週末旅。
それではインタビュースタート!
Skima信州が大事にしている「スキマワード」とは
ーー Skima信州のオープンおめでとうございます。
信州さーもん(以下 信):ありがとうございます!
ーー オープンしてもう1ヶ月くらいですか?
信:そうですね。2018年の3月1日オープンなので、1ヶ月半くらいですね。記事数は現在36記事くらい上がってますね。
ーー サイトのコンセプトから聞いていきたいのですが。
信:はい。
ーー サイトには「信州のスキマを好きで埋めるローカルwebマガジン」とありますが、こちらがサイトコンセプトですか?
信:そうですね、コンセプトはこちらですね。
ーー 「スキマ」というのは具体的に言うと...。有名な場所では無いところ、という意味ですか?例えば松本市だったら「松本城」以外の場所とか?
信:そうですね、場所でいうとそういう感じなんですけど。
長野県に限らず観光サイトというと、大きいところから紹介しますよね。有名なところ、人気なところ、定番なところ。
やっぱり人がすでに集まっているところを紹介するサイトが多いと思うんですけど、私はあんまり人がいるところが好きではないので(笑)。
ーー 人混みが苦手?
自分が好んで行くところというと、あまり人がいないところ。でもそういうところでも良いところはたくさんあるし、例えば松本城と一言で言っても、観光して「あぁ楽しかったな」で終わる記事というよりは、掘り下げ方や視点を変えることで全然違った見方もできると思うんですよね。
ーー なるほど。
信:私はよく「スキマワード」って呼んでるんですけど、スキマワードとは「視点を変えたものの見方」とか「人にあまり知られていないスポットやキーワードや分野」ということですね。
こういったところが好きな人たちが、好きなものを熱量持って語っていけば、信州のスキマワードが増えていくのではないかなと。
そういうスキマワードを増やしていくことによって、全体的に信州の魅力がより見えてくるのではないのかなと考えました。
ーー スキマワードってめちゃめちゃ面白い言葉ですね。
信:このサイトの「ミッション」はスキマワードを増やしていくことだと考えています。
キャッチコピーはそもそも必要か?
信:よく考えているのは、「信州といえば〇〇」のようなキャッチコピーは必要なのかなって。
ーー と言いますと?
信:以前某自治体で会議に参加したことがあるんですよ。この地区をPRしたいということで、アドバイザーとして参加したんですけど。
ーー と言いますと?
信:「自然の里」とか「水がおいしい里」など色々考えていたんですけど、そもそもそキャッチフレーズに意味があるのか?
「信州といえば自然」とか、「信州といえば山」とか。でもそう言い切ってしまうと、そうじゃないよな、と思っている人としてはつまらないというか、批判が来てしまうこともある。
ーー 確かに。ただそういう風に「信州といえば〇〇」と言ってしまった方が分かりやすいってこともありますしね。
そうなってしまうのも仕方ないような。
信:ただそういうワードにとらわれてしまうとそこしか紹介できないし、そんなの知っているよっていう人も出てくるし、全然そうじゃない、っていう人も出てくるだろうし。デメリットしかないと思うんですよね。
ーー 確かに観光記事ってそんなのが多いですよね。松本だったら松本城行って中町行って縄手行って・・・みたいな記事ばかりになってしまう。
信:なので、信州といえば「こうだ!」、と定義するよりは、「ここもあるよ、あそこも素晴らしいよ」と増やしていくイメージですね。
そういったスキマワードをどんどん貯めていければいいかなと思っています。
ーー それは目線を広げていくっていうことなんですかね?
信:うーん、視野を広げるっていうよりは、もう少しミクロな視点で見て、その視点で見たものを積み上げていくイメージですね。そのことによって、全体的に広がっていけるんじゃないかと思っています。
間口は広く、様々なきっかけで信州を知ってほしい
ーー そうなると読者の対象は信州上級者ということになるんですかね?
信:いや、そうは思っていなくて。記事によって全然読者層も変わってくると思っています。登山記事も書いているし温泉記事も書いているし。
県外の人でも温泉が好きな人には読んでもらって、あぁ信州にはこんな温泉があるんだ、とか長野に来たいなと思ってもらえるような記事にしたくて。
もちろん信州が好きな人には読んでほしいですけど、信州全く知らないけど温泉は超好き!という人にも見てもらいたいですし。
先日私が書いた記事に、名探偵コナンの舞台で見た、川中島合戦の史跡をめぐるスキマ旅。というのがあるんですけど。
(↓こちらです。)
信:この記事は、コナン好きな人にも見てもらいたいし、歴史好きな人にも見てもらいたいし、もちろん長野が好きな人にも見ていただきたいっていうことで、間口は広く取っています。
なので信州上級者だけではなく、それぞれの興味のあるものをきっかけに、信州に触れられるような記事にしたいと思っています。
キーワードとしては、「信州エリア × 〇〇」という風には心がけています。信州エリアには興味ないけど、別のキーワードから入ってきてくれるような。
(余談ですが、コナンでは長野県警がよく出てきてめちゃめちゃ優秀に描かれています...!!!)
Skima信州 制作のきっかけについて
ーー そもそもの話なのですが、このサイトを作ろうと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。
信:もともと私はごしゅメモ(※1) というサイトを運営しているのですが、そちらのサイトをやっていた時に、観光記事も書きたいなという思いがありました。
ただ、書こうと思っている観光記事は、ごしゅメモのコンセプトには合わないなと思い、どうしようかな、別のサイトを立ち上げた方がいいのかな、といろいろ考えていました。
そんな中、遠山郷に行った際に信州に関して知識があり熱い思いを持っている方々に出会い、いろいろと話す機会がありまして。
その方々は「やりたい」、「書きたい」という強い思いはあるんですけど、メディアを作るとか記事を書く技術がほとんどない状況でした。
それならば私がメディアを作るので、そこに書いたら良いのではないか、という風な話になり、Skima信州を立ち上げることにしました。
※1 ごしゅメモ:「ごしゅメモ」は、神社仏閣・御朱印紹介サイト。
ーー なるほど。そうだったんですね。
信:そうなんです。私は信州全体に詳しいわけではないし、神社仏閣等の自分の興味のある特定の分野については書けるけど、温泉とか全く詳しくないので。
ーー その方々に書いてもらった方が良いという風になったんですね。
信:そうですね。また、「私の知らない信州をみんなに教えて欲しいです!」、ということをtwitter等SNSに書いたらたくさんの方が集まってくれたので。こうなったら、やろう!と思い作りました。
ーー それはすごい。今の時代ならではの仲間の集め方ですね。ちなみにやろうと思ってから実際にオープンするまでは長い道のりだったと思いますが...
信:やろうと思ってからオープンするまで1ヶ月くらいですね。
ーー 1ヶ月!?めっちゃ早いですね!
信:Skima信州の元々のコンセプトについては以前からずっと考えていましたし、twitterではそんなこと呟いているので、メンバーにもその思いは共有できていました。
そうなるとあとは記事を書くだけという状況ですので、書きまくるだけですね。笑
ーー それにしてもとんでもないスピード感ですね。やろうと思っても実際に行動に移すまで腰が重くなってしまうものだとも思うのですが。
信:やると決めたらサクサクやっちゃいます(笑)
信州さーもんさんについて
ーー 信州さーもんさんの活動についても少し伺いたいのですが。
信:はい。
ーー まずは先ほど話に上がった「ごしゅメモ」についてなのですが。
信:はいはい、ごしゅメモ。神社仏閣・御朱印サイトですね。
ーー もともと御朱印集めが趣味で、ブログを作ったという流れですか?
信:そうですね。そもそもお寺や仏教とかが元々好きで、神社仏閣への参拝はしていました。今でも神社に行って1時間くらいぼーっとしているのが好きです。
そして2016年の夏くらいですかね、戸隠神社で御朱印の存在を知ってそこから御朱印集めを始めました。
それでかなり数が集まってきたので、整理をするためにブログを始めました。それが「ごしゅメモ」ですね。
■ごしゅメモ:一度は訪れたくなる信州の御朱印・観光紹介サイト
(現在250記事ほどこちらのサイトには上がっています。)
ーー あとはnoteでラジオもやられていますし。
信:そうですね、noteでラジオもやってます。ただ喋っているだけという感じですが(笑)旅ブロガーの朝式部さんと一緒にゆるゆると喋っております。
ーー そういえばSkima信州でもラジオ始まってますしね。
信:ラジオ企画も始まりました。ただこちらは私の企画ではなく、メンバーのひとりがラジオやりたいということで、それならばと始めることになりました。
ーー そして、他のメディアでもライター業をやっていると。
わたしの書いた記事が公開になりました!
— 信州さーもん@Skima信州&ごしゅメモ (@goshumemo) 2018年4月5日
遠山郷ってどこ?どんなスポットがあるの?地元民がオススメする楽しみ方をご紹介????
ぜひご覧ください!
天空の里「下栗」の絶景とディープな文化を体感しに信州・遠山郷へ!地元民がオススメするガチ秘境の楽しみ方をご紹介 https://t.co/gUyMDLYXMd
信:はい、他のメディアでもライターとして寄稿しています。結構自分の好きなことや得意なことを自由に書かせてくれるので、楽しく続けられています。
ーー と、このように様々な活動されてますけど、今後やりたいことはありますか?
信:そうですね...私は元々イベントや企画運営をしていたので、イベントやりたいですね。Skima信州で団体を作って、団体が主催するローカル・地元の情報発信をテーマ、キーワードにしたイベントをやりたいですね。
ーー それはツアーとかですか?
信:ツアー...そうですね、ツアーでいうと、他とは一味違った観光ツアーをメンバー内で企画・実行したいです。
県内でもあまり知られていない地域を案内できるようなツアー企画をやりたいね、という話はメンバー内で出ています。
あとは研修合宿やりたいですね。
ーー 研修合宿?
信:スキマメンバー内でいろいろな場所で合宿をやりたいです。
人里離れた場所で、お互いの好きな分野についてプレゼンをし合ったり、徹底的に記事を書きまくったりするような、そんな研修をしたいと思っています。
ーー それは面白そう!場所も人里離れた場所ってのがいいですね笑
信:私は人があまりいないところが好きなので笑。
まだ具体的には決まってないですけど、やりたいことはいくつかあります。
Skima信州 今後のことについて
ーー Skima信州の今後の展望みたいなのはありますか?
信:最終的にはみんなが、信州が好きな人が情報発信ができる場になればよいなと思っています。
さらにそこから、ただWebで発信してくだけではなく、実際にみんなを連れて行きたい。ここは本当に良くておすすめの場所だからみんなを連れて行きたいよね、と言ったリアルな行動に移せる場にしたいです。そして実際に行って体験したことをWebに書いてもらえばいいなと。
ーー それはとても楽しそうですね!
信:また、信州の観光本を作りたいというのは常々思っています。
ただの観光スポット紹介ではなくて、このスポットはこういう回り方もあるんだよ、こういう視点で見ると面白いよと行ったような本ですね。
王道の観光本というよりは、そっちをメインにした本が作れれば良いなと思っています。
ーー それはまさにSkima信州本と言った感じですね。
信:なので今は本のページを作っていくようなイメージで、1記事1記事丁寧に書いていきたいなと思っています。
10年後に変わってそうなものは極力入れないで、長年生きるような記事を書いていきたい。そこが他のローカルメディアとはちょっと違うことかなと思っています。
ーー 具体的に今動いている企画ってあるのでしょうか?
信:現在行っている企画として、Skima信州では「全市町村の観光プランを考える」を目標に、取材ツアーを行うことにしました。
しかも、長野県には現在77の市町村が存在するのですが、せっかくなので平成の大合併前の区分の120市町村の観光記事掲載を目指しています!
ーー なぜ合併前の区分で取材しようと思ったのですか?
信:例えば松本市でもだいぶ合併していて(※2)、松本市でプランを作ったとしても、松本市街地と四賀や梓川・波田では観光プランがだいぶ変わってくると思っています。
そうなると、紹介したくてもできなくなってしまう。合併してしまった場所も、しっかりメインで紹介する記事を書いていきたいなと思い、このような企画にしました。
もちろんちゃんと現地に行って取材するようにしています。
※2:平成17年4月1日、松本市は四賀村・安曇村・奈川村・梓川村と合併しました。 また、平成22年3月31日、松本市は波田町と合併しました。 (参照:合併のあゆみ)
ーー すごい!120記事取材するのは相当なボリュームで大変だと思いますが、とても楽しみにしています!
信:ありがとうございます。最後まで続けられるよう頑張ります!
ーー それでは以上でインタビューを終了します。信州さーもんさん、ありがとうございました!
信:ありがとうございました!
最後に
Skima信州、オープンしたばかりなのに多くの記事数で圧倒されます。
個人的に好きな記事は、先ほどのコナンの記事と、下記の妄想村デートデートの記事ですね。
"地図にはないけれど、水がきれいでオススメの場所を案内したい"
— Koushi Kagawa@松本市 (@koushikagawa) 2018年4月11日
もしも宮田村出身の彼に「僕の地元を案内するよ」と言われたら|長野県宮田村 - Skima信州 https://t.co/Ebi6pbzfcY
これからも信州の隙間を好きで埋めるSkima信州を応援しています!皆さんもぜひ観光のお供にSkima信州を見てみてください。
インフォメーション
【サイト名】 | Skima信州 |
【URL】 | https://skima-shinshu.com/ |
【コンセプト】 | 信州のスキマを好きで埋めるローカルWebマガジン |
【お問合せ】 | こちらのフォームよりお問合せください。 |
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